犬は何を考えている?犬の頭の中を探る
家族の一員として、私たちの日常に多くの喜びと癒しをもたらしてくれる犬。
しかし、犬が何を考えているのか、その気持ちを理解することは容易ではありません。
この記事では、犬がどのように物事を考え、犬はどのような気持ちを抱いているのかについて探ります。
人間と犬の絆を深めるために、愛犬の心を理解する手助けとなる情報をお届けします。
犬がどんなことを思っているのか気になる人は多く、犬の気持ちの研究は進んでいます。
ブダペストのエトベシュ・ロラーンド大学の神経科学者らは、13匹の家庭犬の脳をMRIでスキャンする研究を行い、その結果を学術誌Scienceに掲載しました。
参考:ナショナル ジオグラフィック ニュース 2016年9月1日付
犬にトレーナーの声で「よくやった!」など意味のある言葉と無意味な言葉を、ほめる調子と無感情の調子で聞かせました。
抑揚に関係なく、意味のある言葉は左脳で処理され、意味のない言葉は処理されず認識されませんでした。
また、ほめる調子の声には右脳が反応を示したことがわかりました。
これは人間の脳の反応と同じであり、このことから犬は人間の言葉を理解し、飼い主が本当に気持ちを込めて褒めた時にだけ嬉しく感じているということがわかったのです。
私たち人間の気持ちを理解し、犬も嬉しく感じているなんてとても可愛らしいですね。
犬と目が合うと、こちらに何かを訴えているような感じがしますよね。
犬はアイコンタクトでコミュニケーションを図るため、飼い主を見つめるのは、心を通わせている状態と言われています。
そんな時、犬がどんなことを考えていると言われているのか、以下にまとめました。
愛情表現と甘え
穏やかな表情でこちらを見つめている時は、愛情や信頼の表現です。
視線を合わせると、愛情ホルモンのオキシトシンが分泌され、幸せな気持ちになるようです。
観察や期待
飼い主の行動を観察し、様子を伺っているのかもしれません。
何かを期待している時にもじっと見つめてきます。
おねだり
目がキラキラしたり、上目遣いや首をかしげるのは何かを求めているサインです。
「おやつが欲しい」「遊んでほしい」「散歩に行きたい」などの要求があるのかもしれません。
緊張や不安
鼻や眉間にしわが寄り、歯をむき出しにしているときは緊張や不安を示します。
こうした場合、警戒心が強いので無理強いは避け、ストレスを与えないようにしましょう。
敵意や警戒
見つめながら唸る行動が伴う場合、敵意を持っていることがあります。
目線を外し、敵意がないことを示しましょう。
服従
歯をむき出しにして薄目でこちらを見つめる顔は「服従の笑顔」と呼ばれ、従おうとする気持ちの表れです。
服従の意味でこちらをみつめているときは、おすわりなどのボディランゲージを見せることもあります。
このように、犬が飼い主と目が合うとき、さまざまな感情や行動が表れます。
犬はしっぽの振り方や耳の傾き、口の開け方などでコミュニケーションを取ります。
他者とのコミュニケーションが大切であることを示しているのです。
それぞれの状況に応じた対応を心がけることが重要です。
ここまで、犬は人間の言語を理解していること、犬の行動や表情から愛犬の気持ちが読み取れるということをお伝えしてきました。
さらに犬の気持ちを理解するために、「犬語翻訳アプリ」が存在することはご存知でしょうか?
このアプリを使って、愛犬とおしゃべりを楽しめるのならとても魅力的ですよね。
犬語翻訳アプリとは、鳴き声を分析し犬の感情を人間の言葉に翻訳してくれるコミュニケーションツールです。
愛犬がムダ吠えをして困っているなど、なかなか気持ちをわかってあげられず悩んでいる飼い主の方にはおすすめです。
各社が様々なアプリをリリースしており、中には猫語を翻訳する機能がついているものや、愛犬との写真を保存できるアルバム機能が備わっているものなど、飼い主の需要に合わせて選べるようになっています。
あくまで、バラエティーツールなので鳴き声や行動を理解する選択肢のひとつとして、試してみるのもいいかもしれないですね。
ぜひ、ご自身にピッタリなアプリを探してみてください。
犬が人間の言葉を理解しているのと同様に他の動物にも、理解する能力が備わっているのかは気になりますよね。
その真相を解明するため、「イヌは何を考えているか」の著者である米エモリー大学の神経科学者グレゴリー・バーンズ氏は、他の動物の研究も行いました。
参考:ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年9月13日付
水族館でショーを観た事がある人であれば、イメージできるかと思いますが、アシカはリズミカルなパターンに従う能力を持っています。
柔軟な発声器官を持つ動物だけがこの能力があるという仮説がありますが、アシカは柔軟な発声はできません。
そこでバーンズ氏は、生きたままMRIに入れることは難しいため、死んだ個体の脳をサンプルとして使用して、脳内経路を調べ、人間や他の動物と比較をしました。
実際に、カリフォルニアのあるアシカは、複雑なリズムに乗って踊ることができました。
ダンスの能力は言語を通じて身につくと考えられていましたが、言語を持たないアシカも踊ることができたことから、以下のことがわかりました。
ダンスの能力が動物にとって基本的な性質であること
また、その能力は人間が登場する前から存在し、言語の有無に関わらず発達してきた可能性があること
このことから、アシカは音やリズムであれば判別できるといえます。
1936年に絶滅したと考えられている動物です。
姿はイヌやオオカミに似ていますが、有袋類でありイヌの仲間ではありません。
脳がイヌの脳と似ているかどうかを確かめることを目的とし、バーンズ氏は研究を行いました。
脳はイヌとは大きく異なり、タスマニアデビルやカンガルーなど他の有袋類に近いものでした。
前頭葉の大きさと前頭葉内部の連結から、以下のことがわかりました。
イヌほど社会的ではなく、かなり非社会的であること
問題解決能力がかなり発達していること
このことから、人間のペットには全く向かないといえるでしょう。
リズムを判別することができたり、問題解決能力が発達していても、犬のように人の言語を理解することはできない動物種がいるということがわかりました。
犬がペットとして人気な理由の一つには、この言語理解能力が関係しているのかもしれませんね。
犬は言葉の意味や抑揚を脳で処理し、飼い主が本当に褒めたときに喜びを感じます。最新の研究では、犬が左脳で言葉の意味を、右脳で感情を処理することが確認されています。
犬が飼い主を見つめる行動には、愛情や信頼の表現、期待、緊張などさまざまな感情が含まれています。状況に応じた対応が重要です。
犬語翻訳アプリは、犬の鳴き声を分析して感情を翻訳するツールです。完全に正確ではないものの、犬とのコミュニケーションを楽しむ手段として人気があります。
この記事では、愛犬が何を考えているのかについての情報をまとめました。
犬は、高い言語理解能力で家族の一員として、さまざまな物事を考え、瞬間瞬間に私たちとコミュニケーションを取っています。
私たち人間も、犬の行動や表情から犬の気持ちを理解しようとすることで、より深い絆を築き、共に過ごす時間がさらに豊かなものとなるでしょう。