「犬がかわいすぎる」「うちの子はなぜこんなにもかわいいのか」と考えることは、愛犬家にとって日常の疑問かもしれません。
最近のニュースやX(旧Twitter)などのSNSでも、ペットとしての犬の魅力や癒やしの効果が多く取り上げられ、話題となっています。
この記事では、私たち人間がなぜ犬を「かわいい」と思うのか、その理由を詳しく探っていきます。
犬との生活がもたらす癒やしの効果や、その魅力についても触れながら、ペットとしての犬の素晴らしさを再確認していきましょう。
私たちが犬を「かわいい」と思う理由として、以下の要素が存在します。
見た目
仕草
多様な愛情表現
素直な性格
生活に密接した存在
年代を問わない
このように身体の大きさ、犬種、大型犬や小型犬かかわらず、犬にかわいいと思う瞬間が多くあります。
それでは、それぞれ詳しくみていきましょう。
犬の見た目が可愛いと感じる理由は、「ベビースキーマ」と呼ばれる本能的な要素に基づいています。
動物行動学者コンラート・ローレンツが定義したこの理論によると、以下の特徴が可愛さを引き立てるとされています。
大きな頭
身体に比して大きな頭が、保護本能を引き起こします。
広い額
前に張り出した額は、幼さを強調します。
大きな目
顔の中央よりやや下に位置する大きな目は、愛らしさを感じさせます。
短くて太い四肢
子犬特有の短くて太い四肢は、無防備さを示します。
丸みのある体型
全体的に丸みを帯びた体型は、可愛さの象徴です。
柔らかい体表面
触り心地の良い柔らかい被毛は、触れたくなる衝動を引き起こします。
表情の豊かさ
笑顔やしょんぼり顔、寝顔など、豊かな表情も可愛らしさを増します。
これらの特徴は、人間が本能的に「かわいい」と感じる要素であり、犬はこれらを備えているために可愛らしく見えるのです。
犬の可愛らしさは、その多彩な仕草にもあります。
聞きなれない音に反応して首をかしげる動作は、「なあに?」と言わんばかりの愛らしい姿です。
この動作は犬以外の動物でも見られますが、犬の場合、その愛らしさから飼い主が何度も同じ言葉を繰り返してしまうことが多いです。
犬が「お手」のように手を使って飼い主を呼ぶ仕草は、まるで「ねぇねぇ」と言っているように見えます。
これは、甘えたい時や遊びに誘いたい時に見られるもので、その人間らしい動きがさらに可愛さを引き立てます。
犬が飼い主の足や椅子に、あごを乗せてじっと見つめる仕草も非常に可愛いです。
この時、犬と人間が見つめ合うことでオキシトシン(※1)という愛情ホルモンが分泌され、互いに幸せな気持ちになります。
オキシトシンは「愛情ホルモン」として知られるホルモンの一種で、心を癒し痛みを和らげる効果があります。
特に犬と人間が見つめ合うとお互いにオキシトシンが分泌されることが「Science」誌に掲載された研究で確認されています。
これは通常、同種の動物間でしか見られない現象ですが、犬と人間は種を超えてこのホルモンを分泌し合うことができるのです。
オキシトシンは親密な関係を深める要素としても知られており、犬との特別な絆を強化し、愛情や信頼感を育む重要な役割を果たしています。
犬がリラックスしている時に「ふぅー」と深いため息のような鼻息を出すことがあります。
これは犬がとても落ち着いている証拠で、その音を聞くだけで飼い主はさらに愛おしさを感じます。
・うるうるした瞳で見つめる
・おやつを食べる時に手でしっかり抱える
・足元を手でカリカリする
など
どれも可愛らしく、見ている人を飽きさせません。
イタズラすらも、可愛い仕草でつい許してしまうほどです。
飼い主に対する愛情表現が豊かなことも、犬の可愛らしさのひとつと言えるでしょう。
犬は人間を家族同然に思い、人間も犬を家族の一員と感じています。
また、犬は学習しなくても生まれながらに人間とのコミュニケーション能力を備えています。
そのため人間の行動を先読みし、視線や指差しの方向を理解し、視線を使ってコミュニケーションを取ることができるのです。
コミュニケーションを取れることで、より愛情が芽生え可愛いらしさを感じます。
約1万1000年前から犬と人間のパートナー関係が続いており、犬は最初に家畜化された動物であることがDNA研究で明らかになっています。
犬は長い歴史の中で人間とコミュニケーションを取る能力が進化しました。
はるか昔から犬は人間に可愛がられ生きてきたのです。
犬は人間と嬉しいことや悲しいことを共有し、霊長類以外では唯一、アイコンタクトを取ることができます。
加えて犬は200語以上の人間の言葉を覚え、人間の感情に共感し、ジェスチャーを使って自分の意思を伝えます。
これらの能力により、犬は飼い主に対して多様な愛情表現を行い、そのしぐさや行動が一層可愛らしく感じるのです。
自分だけに懐いてくれる姿や、頼ってくれる姿を愛おしく感じる人も多いのではないでしょうか。
犬は何万年も前から人間と共に生き、人間に合わせて進化してきました。
作業犬や使役犬として飼い主に従順で素直な性格を持つ犬が選ばれ、交配されてきた歴史があります。
こうして長い時間をかけて生まれた人間との絆が、私たちが犬を可愛く思う要因のひとつに挙げられます。
犬が悲しんでいる人を慰める習性が科学的に証明されています。
愛犬家が犬に慰められるのは、実際に犬が寄り添って慰めているからです。
そんな犬の優しさは大きな魅力の一つで、個性豊かで人間っぽいところが親近感を生み、可愛らしさを増幅させています。
多くの犬は人懐っこく、飼い主に従順です。
信頼関係が強まるほど飼い主に懐き、長い時間を共に過ごすことで絆が深まります。
犬の素直な愛情表現や従順な態度は、私たちにとって特別で愛おしいものです。
犬は他の動物に比べて、より密接な関係を築くことができます。
犬は私たちの生活に深く溶け込み、街を歩けば散歩中の犬をよく見かけ、犬を飼っていない人でも日常的にその姿を目にします。
犬は私たちにとって最も身近で、関わることが多いためより可愛く思えるのでしょう。
犬の世話には多くの時間が必要ですが、それは犬と一緒に過ごす時間が長いということでもあります。
犬との散歩や一緒に寝ることなど、日々の生活の中で多くの時間を共有します。
散歩中に犬に話しかけたり、一緒に寝て朝一番に「おはよう」と声をかけることも日常の一部です。
日常に犬という存在が溶け込んでいるからこそ、犬を可愛いと思う機会も多いのです。
日々の多くの時間を犬と過ごすことで、お互いのことをよく理解し合う存在になります。
犬との生活は、互いに寄り添い、コミュニケーションを取りながら過ごすため、密接な関係が築かれるのです。
その身近さと親密さが犬の可愛さを引き立てます。
日常の多くの時間を共に過ごし、深い絆を築いていることが犬を一層可愛らしく感じさせるのです。
どんな年代の犬にもそれぞれ違った可愛さがあります。
子犬のかわいさを感じる要素は以下の通りです。
子犬のつぶらな瞳、ちょこちょこ動く仕草、一生懸命おもちゃで遊ぶ姿など、成犬にはない魅力があります。
子犬時代にしか見られない表情や仕草をたくさん写真や動画に残しておくと良いでしょう。
子犬のあどけない顔つき、未発達な体、ぎこちない動き、無邪気な性格が可愛らしさを引き立てます。
特に、ピンクのお腹は幼犬期特有で、見る人を虜にする魅力があります。
子犬の見た目は、人間にお世話をしてもらうために進化の過程で獲得した可能性があります。
研究によると、乳離れの時期が最も魅力的に見えるとされています。
子犬は本能的に自分を可愛く見せる方法を知っているのかもしれません。
老犬のかわいさを感じる要素は以下の通りです。
老犬は顔つきや性格が穏やかになり、動きもゆったりとします。
穏やかな表情と落ち着いた性格が、心を和ませます。
老犬の可愛さや愛おしさは日々増していき、常に新しい魅力を見せてくれます。
飼い主たちは老犬の特有の可愛さを写真と共に自慢することが多いです。
長い時間を共に過ごした飼い主に対して、老犬は心をすっかり許し、穏やかで落ち着いた表情を見せます。
年を重ねると表情筋が緩んで優しい表情になるため、癒しの効果があります。
老犬になると動きがゆっくりし、活発だった頃とは異なるゆったりとした動作が見られます。
トロンとした目でゆっくりこちらを見る仕草や、のっそりとした動きは老犬ならではの魅力です。
お腹をみせる、体をこすりつけてくる 、耳をペタンと後ろに下げるなどです。
タンパク質の匂い 肉、魚、ドッグフード、チーズなどは犬の大好物です。
犬の性格は先天的な要素と後天的な要素の両方で決まります。 先天的な要素とは犬種や両親からの遺伝、性別であり、後天的な要素とは生育環境、周囲の動物との関わり、飼い主との関わりなどが挙げられます。
子犬のしつけをはじめる時期は、一般的に「子犬の社会化期」といわれる、生後4〜13週齢の間とされています。 この期間は感受性が強く、好奇心も旺盛で、さまざまな経験を経て社会と慣れさせるのに適しているからです。
犬が愛情不足を感じているときのサインにはどのようなものがありますか? 原犬が愛情不足になったとき、行動面の変化ではいつもよりも過剰に吠えたり動き回るようになる、イタズラが増える、自分の手足や尻尾を執拗に舐めたり噛むなどの行動がみられることがあります。
私たち人間がなぜ犬を「かわいい」と思うのか、その理由を詳しく探っていきました。
犬が可愛いと思う理由には、見た目や仕草、多様な愛情表現、素直な性格などが挙げられます。
子犬から老犬に至るまで、犬は私たちの生活に密接した存在であり、その存在自体が飼い主にとって特別なものです。
犬は、飼い主との絆を深めるオキシトシンの分泌を促し、私たちの心を癒してくれます。
このように、犬の可愛さは、その見た目や仕草、愛情表現、そして生活に溶け込んだ存在感によって成り立っているのです。