家庭犬として人気のある犬種の中には、毛がほとんど生えていない犬種も存在します。
これらの犬は、アレルギーを持つ家庭や掃除の手間を減らしたい飼い主にとって魅力的な選択肢となっています。
毛がない犬は、ユニークな外見だけでなく、特別なケアや注意が必要です。
この記事では、毛がない犬の特徴や魅力、飼育する際のポイントについて詳しく紹介します。
ヘアレスドッグは、被毛が全くないか、一部にしか生えていない犬種です。
被毛がないため体温が高く、古代エジプトなどでは湯たんぽのように体を温めるために使われていました。
また、被毛アレルギーの人にとっても、抜け毛やフケが少ないため、ヘアレスドッグは人気があります。
これらの犬は、特定の遺伝子の突然変異によって無毛の個体が生まれたとされており、病気による脱毛ではないため、健康上の問題はありません。
現在世界中で700〜800種類の犬種が登録されています。
ヘアレスドッグはその中でも非常に珍しい7犬種のみです。
希少な毛のない犬種は以下の7犬種です。
チャイニーズ・クレステッドドッグ
ショロイツクインツレ(メキシカン・ヘアレス・ドッグ)
アメリカン・ヘアレス・テリア
ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
ヘアレス・カーラ(ボリビアン・ヘアレス・ドッグ)
アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグ
ペルービアン・インカ・オーキッド
それぞれ詳しく説明していきましょう。
チャイニーズ・クレステッドドッグの特徴などについて紹介します。
チャイニーズ・クレステッドドッグは、性別によって体高に少し差があります。
チャイニーズ・クレステッドドッグには2種類のタイプが存在します。
頭部、下肢、尾に毛がありますが、他は無毛です。
全身が長く柔らかい毛で覆われています。
この犬種は感受性が強く繊細で、明るく深い愛情を持っています。
シャイな一面はありますが、他の犬と仲良く遊ぶことができます。
被毛がほとんどないため、寒さ対策や紫外線対策が必要です。
また、皮脂の分泌が多いため、洗いすぎによる乾燥にも注意し、飼い主が日常的に皮膚の状態をチェックすることが重要となります。
チャイニーズ・クレステッドドッグは抜け毛が少なく、無駄吠えも少ないため比較的飼いやすい犬種です。
ただし、皮膚トラブルを抱えやすいため、こまめなスキンケアが求められますので気をつけましょう。
この犬種は遊び好きで活発ですが、骨が細いため骨折や脱臼に注意が必要です。
ショロイツクインツレ(メキシカン・ヘアレス・ドッグ)の特徴などについて紹介します。
ショロイツクインツレは3つのサイズに分類されます。
全身に被毛はほとんどありません。
スムースで柔らかい皮膚を持っていますが、頭部や尾にわずかに毛が生えている個体も一部存在します。
バランスの取れた体型で、幅広い胸と長い四肢が特徴です。
子犬の頃はやんちゃですが、成長するにつれて静かで落ち着いた性格になります。
警戒心が強く用心深いため、番犬としても適しています。
皮膚病や関節疾患になりやすいので、皮膚のケアや体重管理が重要です。
ショロイツクインツレは抜け毛が少ないだけでなく、性格も穏やかで、初心者にも比較的飼いやすい犬種です。
ただし、皮膚トラブルが発生しやすいため、こまめなケアを行いましょう。
体温が高く、「神の使い」とされ、古代エジプトでは病人を温めるのに役立ったとされています。
飼い主以外には疑い深い面もありますが、攻撃的ではありません。
アメリカン・ヘアレス・テリアの特徴などについて紹介します。
体高は18〜45.7cm、体重は2.5〜12kgと個体によって大きさに差があります。
14〜16歳です。
基本的に無毛ですが、パウダータイプと呼ばれる毛があるものも存在しています。
肌は滑らかで、地色が薄い桃色にブラックの斑点があることが多く、体は引き締まっています。
脚が長く、立ち耳と大きな目が特徴です。
サイズはトイとスタンダードに分かれます。
アメリカン・ヘアレス・テリアは比較的穏やかで、友好的です。
好奇心旺盛で、穴掘りを好むことがあります。
水が苦手なため、水辺には注意しましょう。
また、皮膚トラブルにも気をつける必要があります。
性格は温和で人懐っこいです。
ただし、テリア特有の気の強さがあり、しつけやトレーニングには根気が必要でしょう。
アメリカン・ヘアレス・テリアはアメリカでも珍しく、日本ではさらに稀少です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの特徴などについて紹介します。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは3つのサイズに分類されます。
基本的に被毛はありません。
頭部や尾にはわずかに毛が生えることがあります。
毛色はブラック、ダークブラウン、ブロンド、グレーなど多様で、皮膚の一部にピンク色の斑が見られることがあります。
黒っぽい皮膚と長い足が特徴で、体型はスリムです。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは気品があり、愛情深く快活な性格です。
一方で警戒心が強く用心深いため、番犬に向いています。
皮膚が弱いため、日常的な皮膚ケアが必要です。
また、被毛がないため体温調節を苦手とし風邪をひきやすいので、温度管理に注意をしましょう。
日本国内での飼育頭数が少なく、情報収集が難しいことから、初心者には飼育が難しいでしょう。
しっかりとした情報収集やケアが求められます。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは飼育には注意が必要ですが、その愛情深い性格で、家族にとって素晴らしいパートナーとなるでしょう。
ヘアレス・カーラ(ボリビアン・ヘアレス・ドッグ)の特徴などについて紹介します。
ヘアレス・カーラにはメディオ(ポッタリータイプ)とグランデ(サイトハウンドタイプ)の2種類が存在します。
基本的には全身無毛ですが、頭部に白い長毛が生える個体もいます。
メディオ、グランデともに足と首が長く、スリムな体型です。
立ち耳が特徴で、グランデはメディオよりも足が長めです。
飼い主や家族に忠実で愛情深く、知性も持ち合わせています。
また、警戒心が強い一面もあります。
皮膚が弱いため、日常的な皮膚ケアが必要です。
被毛がないため、体温調節を苦手とし風邪をひきやすいので、温度管理に注意しましょう。
皮膚のケアがまめにできる人に向いています。
警戒心が強いため、しつけやトレーニングが重要となります。
ヘアレス・カーラはボリビアで国犬にも指定されており、原産国では非常に人気があります。
遊ぶのが大好きなため、たくさん遊ぶ時間を設けましょう。
アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグの特徴などについて紹介します。
25〜45cmほどです。
立ち耳とつぶらな瞳が特徴的です。
被毛はほとんどありません。
頭部や足先、尾の先端などに部分的に生えていますが、毛が全身に生える「パウダーパフ」と呼ばれている個体もいます。
肌はしっとりとしており、黒や紫色で、桃色のスポットを持つ個体もいます。
歯の本数が少ないのも特徴です。
愛情深く忠実ですが、警戒心が強い面もあります。
皮膚トラブルが起きやすいため、日常的な皮膚ケアが必要です。
飼育頭数が少ないため情報収集が難しく、皮膚疾患を患いやすいので初心者向きではないでしょう。
アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグは、もともと愛玩犬として飼育されており、体温が高いため病人を温めたり温湿布の代わりとして使われてきました。
現在は原産国アルゼンチンでも希少なため、愛好家によって保護されています。
ペルービアン・インカ・オーキッドの特徴などについて紹介します。
ペルービアン・インカ・オーキッドは、3つのサイズに分類されます。
ペルービアン・インカ・オーキッドは、細身で脚が長く、立ち耳とサーベル形の垂れ尾を持っています。
基本的に無毛で、皮膚は無地か斑点があります。
細身でバランスのとれた体型がエレガントな印象を与えます。
目の上とヒゲ以外に毛はほとんどなく、まれに頭頂に白い毛が生えることがあるのが特徴です。
愛情深く献身的で、活気があり元気な性格です。
視力が優れたサイトハウンドの気質を持ち、警戒心が強く臆病な面もあります。
皮膚トラブルが起こりやすいので、日常的な皮膚ケアが必要です。
また、運動量が多いので、十分な散歩が必要となります。
ハウンド気質があり、小動物を追いかけることがあるため、小動物との共存は避けたほうが良いでしょう。
皮膚ケアや十分な運動量を確保すること、またハウンド気質を理解する必要があります。
国内では飼育頭数が少ないため情報収集が難しく、初心者には向いていないでしょう。
ヘアレス犬種の特徴は、被毛がほとんどまたは全くないことで、アレルギーを持つ人にとって飼いやすい点があります。体温が高いため、温度管理や皮膚ケアが必要です。
はい、ヘアレス犬種は毛が少なく、アレルギー反応の原因となるフケや抜け毛が少ないため、アレルギーを持つ人に適しています。
ヘアレス犬種は紫外線対策や皮膚の保湿が重要です。皮膚が露出しているため、乾燥や日焼けに注意し、定期的なスキンケアが求められます。
ヘアレスドッグ、つまり毛がない犬種は、ユニークな外見と特別なケアが必要です。
彼らはアレルギーを持つ人々にとって理想的なペットであり、毛の手入れが不要な点も魅力的です。
しかし、皮膚の健康を保つためには特別な注意が必要であり、日焼けや乾燥から守るためのケアが重要です。
毛がない犬種は、個性的で魅力的な存在であり、適切なケアをすれば健康で幸せな生活を送ることができます。